日本語学習者の多読のために作られた書籍を紹介します。

  • 「レベル別日本語多読ライブラリー」シリーズ

監修 :NPO多言語多読

出版社:アスク出版

構成 :レベル0,1,2,3,4/各レベルVol.1,2,3

価格 :2,300円 (全て揃えると34,500円+税)

説明 :レベル0からレベル4まで、5レベルある。各レベルVol.1からVol.3まであり、各Volに5冊程度の薄い本が入っている。日本語学習者向け多読書籍の代表で、量もバリエーションも充実している。多読を導入する際に、まず揃えたいシリーズ。昔話などの物語から、大豆の説明のようなノンフィクションまで読み物の分野が広く豊富で、初級学習者向けのレベル0でも絵や写真をうまく使って読み物として成立させている。アスク出版のホームページから、朗読音声をダウンロードできる。電子書籍版もある。

  • 「にほんご多読ブックス」シリーズ

監修 :NPO多言語多読

出版社:大修館書店

構成 :Vol.1~10

価格 :2,400円(Vol.1とVol.2)/2,500円(Vol.3~Vol.10) (全て揃えると24,800円+税)

説明 :レベル0からレベル5まで6つのレベルの読み物が、Vol.1からVol.10までの中に入っている。Volとレベルは対応しておらず、Vol.1の中にはレベル0,1,2の読み物が入っている。レベルの設定は、「レベル別日本語多読ライブラリー」と共通しているので、あわせて使用できる。「レベル別日本語多読ライブラリー」と同じく日本語学習者向け多読書籍の代表なので、多読導入の際には揃えたい。大修館書店のホームページから、朗読音声をダウンロードでき、電子書籍版もある。

  • 「どんどん読める!日本語ショートストーリーズ」シリーズ

編集 :アルク出版編集部

出版社:アルク

構成 :Vol.1~3

価格 :1,800円 (全て揃えると5,400円+税)

説明 :日本語能力試験N3合格者を読者に想定し、辞書を使わずに楽しみながら読むことを目的としたシリーズ。Vol.1からVol. 3まであり、各Volに20の読み物が入っている。Vol間の日本語レベルの差はない。N2レベル以上の単語には英語、中国語、ベトナム語、ポルトガル語の訳があるので、中級に入ったぐらいの学習者が読んでいくのに向いている。ちょっといい話や怖い話、社会的な話など気軽に読める読み物で、大きな挿絵が特徴的。

  • 「にほんごで よむ」シリーズ

監修 :仙台国際日本語学校

構成 :「仙台・宮城」編Vol. 1,2 /「熊本」編

価格 :1,200円(仙台・宮城編)/1,400円(熊本編) (全て揃えると3,800円+税)

説明 :仙台国際日本語学校が作成、監修しているご当地読み物。「にほんごで よむ 仙台・宮城」はVol. 1とVol. 2があり、Vol. 1は「伊達政宗」など5つの読み物が、Vol. 2は「3.11」など4つの読み物が入っている。「にほんごで よむ 熊本」には、「熊本城」など6つの読み物が入っている。いずれも初級、初中級、中級でレベル分けされている。それぞれの地方の習慣や文化、有名人をテーマにした読み物でその地域のことを深く知ることができる。一般の書店での取り扱いはなく、購入する際は仙台国際日本語学校に直接問い合わせる。(※仙台国際日本語学校のホームページによると、2020年3月をもって出版物の販売を終了したとのこと)

  • 「Let’s Read Japanese」シリーズ

編集 :イレーネ・ヒル

出版社:Oxford Brookes University

構成 :Level 1 Vol. 1 / Level 2 Vol.1,2 / Level 3 Vol. 1

価格 :2,377円(2020.9 Amazon調べ) (全て揃えると9,508円)

説明 :レベル毎に冊子になっており、レベル1から3までの3レベル構成。一つの冊子に4~5つの読み物が入っている。縦書き。レベル設定の基準は明記されておらず、他のシリーズに比べるとレベル1でも少しレベルが高い印象を受ける。「不思議の国のアリス」のような物語だけでなく、「俳句」や「紫式部」のような、日本文化の紹介の読み物もある。Oxford Brookes Universityのウェブサイトから購入できるが、Amazonでも部分的に取り扱いがある。

  • 「小説 ミラーさん」

著者 :横山悠太

出版社:スリーエーネットワーク

構成 :「小説 ミラーさん」「小説 ミラーさんⅡ」の2冊

価格 :1,000円 (全て揃えると2,000円+税)

説明 :多読用書籍ではないが、日本語学習者向けの気軽に読める読み物。言わずと知れた、『みんなの日本語』に出てくるマイク・ミラーさんを主人公に小説に仕立てた読み物。一つの章が短いため、読むときの負担が少ない。『みんなの日本語 初級Ⅰ』と『同 Ⅱ』で取り上げられている語い・文法を中心に文章が構成されているため、初級もしくは初級修了程度の学習者向け。縦書き。