多読とは What’s the TADOKU

 多読とは、その名前の通り、たくさん読むことです。日本語や英語など、外国語を勉強するときの多読とは、外国語で書かれた文章や本をたくさん読んで、スラスラ読めるようになりましょうということです。

 自転車に初めて乗ったときのことを思い出してください。最初は上手に乗れなくて、何度も転んだと思います。でも、何度も何度も練習したら、乗れるようになったはずです。そのときに、「速くペダルをこぐために足の筋肉を強くしよう」とか、「バランスが必要だからしばらく片足で立つ練習をしよう」ということは考えなかったと思います。何度も自転車に乗って、練習をしたはずです。

 読むことも同じです。読む力をつけるためには、実際に読むことが必要です。もちろん読むためには、単語の意味や文法の使い方がわかったほうがいいです。でも、それだけでは足りません。文章や本を読まないと、本当の読む力はつけられません。

 ところでみなさんは、読むことが好きですか。嫌いな人はもちろん、好きな人でも外国語で長い文章を読むときには、ストレスを感じるはずです。わからない言葉が多いとか、辞書を引いている間に内容を忘れたとか、文章が長くなると何を言っているかわからないなど、ストレスになることがたくさんあります。ストレスのせいで読むことをやめてしまう人も多いと思います。さっき、私は「多読は外国語の文章をたくさん読んで、その言語が上手になることです」と言いました。でも文章を読むことがストレスだったら、たくさん読むことはできません。すぐにやめてしまいます。だから、多読をするときには、自分の読みたいものを、自分のペースで、楽しみながら読んでください。辞書を引きながら読むのもストレスになります。だから、辞書を使うのをやめて、辞書を使わないで読めるものを探しましょう。長い文章や厚い本じゃなくていいです。短いものから読みましょう。難しい本じゃなくていいです。やさしい本から読みましょう。絵本でもマンガでもいいです。

 楽しみながら、たくさん読んで、読む力を伸ばす。それが、多読の目指すゴールです。

 「たどくのひろば」がみなさんの多読の役に立ったら、嬉しいです。

「たどくのひろば」の読み物について

 「たどくのひろば」では、多読のための読み物を無料で公開しています。自由に使ってください。

 私たちは、初級の日本語の勉強が終わった人が読めるものをたくさん作りたいと思っています。だから、このウェブサイトには、中級レベル(日本語能力試験N3/CEFR A2,B1)ぐらいの読み物が多いです。中級になったら、長い文章を読んだり、難しい内容の文章を読んだりします。初級が終わって、急に長い文章や難しい内容の文章を読むことは、大変です。だから、「たどくのひろば」の読みやすい文章をたくさん読んで、読む力をつけてください。

 また、「たどくのひろば」の読み物は、おもしろいストーリーだけではありません。日本の社会を紹介したり、日本や世界で話題になっていることを紹介したりするものもあります。「たどくのひろば」の読み物を読んで、社会のことや日本、世界のことをたくさん知ってほしいと思います。

 「たどくのひろば」の読み物が、教室で日本語を勉強するための「教材」と、教室の外の「生の読み物」のかけ橋になるはずです。

~日本語を教えている方へ~

 「たどくのひろば」で公開している作品は、多読のための読み物として作っています。だから、本文に問いや質問はありません。あくまで学習者が興味を持って楽しく読むという目的のために作っています。日本語を教えている方も、多読の授業や課題の活動のための読み物として使っていただけると幸いです。

 ただ、「たどくのひろば」で公開している作品は「クリエイティブ・コモンズライセンス」のもとに、自由にお使いいただける素材として公開しています。全ての作品で改変や二次使用も認めているので、作品に問いや質問を付すなどして、教材を作ることを禁止してはいません。どのような使い方をしても自由なので、読解問題を作ったり、テストで使ったり、シャドーイングをしたりするように、多読読み物としての使い方以外の使い方も、遠慮なく自由になさってください。「こんな風に使ったよ」という事例があれば、ぜひ教えていただければ作り手としても参考になります。

読み物を作っている人

 いろいろな人が「たどくのひろば」の読み物を作っています。読み物を書いてくれた人や、イラストを描いてくれた人、朗読をしてくれた人、ルビを振ったりして手伝ってくれた人をここで紹介します。

<読み物を書いた人>(あいうえお順)

 ・奥野 由紀子(おくの ゆきこ)さん/日本語の先生

 ・門倉 正美(かどくら まさみ)さん/日本語の先生

 ・木山 登茂子(きやま ともこ)さん/日本語の先生

 ・佐々木 瑞枝(ささき みずえ)さん/日本語の先生

 ・佐々木 良造(ささき りょうぞう)さん/日本語の先生

 ・佐藤 淳子(さとう じゅんこ)さん/日本語の先生

 ・田中 麻美(たなか まみ)さん/日本語の先生

 ・西口 光一(にしぐち こういち)さん/日本語の先生

 ・二口 和紀子(ふたくち わきこ)さん/日本語の先生

 ・松田 真希子(まつだ まきこ)さん/日本語の先生

 ・森 勇樹(もり ゆうき)さん/日本語の先生

 ・吉川 達(よしかわ とおる)/日本語の先生

 ・佐賀大学の留学生

 ・Rupal Baran Baruaさん/バングラデシュの日本語の先生

<イラストを描いた人>

 ・藤村 日向子(ふじむら ひなこ)さん/高校の美術の先生

 ・佐々木 朗乃(ささき あきの)さん/佐賀大学の大学院生

<朗読をした人>

 ・島田 双葉(しまだ ふたば)さん/佐賀大学の学生

 ・浦川 真依(うらかわ まい)さん/ 佐賀大学の学生

 ・岩本 ひなた(いわもと ひなた)さん/ 佐賀大学の学生

 ・木下 実祐(きのした みゆ)さん/佐賀大学の学生

 ・北島 美涼(きたじま みすず)さん/佐賀大学の学生

 ・安南 友里乃(あんなん ゆりの)さん/佐賀大学の学生

<手伝いをした人>

 ・ 黒木 奏(くろき かな)さん/佐賀大学の学生

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスについて

 「たどくのひろば」の読み物は、「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」をつけて公開しています。読み物を無料でダウンロードしたり、プリントアウトしたりできます。「たどくのひろば」の読み物を使って教材を作ったり、読み物を書き換えたり、別のウェブページで紹介したりすることもできますが、そのときは「出典:たどくのひろば(https://tadoku.info)」と記載してください。ただし、一部の作品を除いて「たどくのひろば」の読み物を売ることはできないので、注意してください。クリエイティブ・コモンズ・ライセンスについて詳しく知りたい人は、「クリエイティブ・コモンズ」のウェブサイト(日本語英語)を見てください。

 それぞれの作品についている「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」の範囲外のことをする場合は、「問い合わせ」からご連絡ください。

謝辞

このウェブサイトは、JSPS科研費(18H00677)の助成を受けて運営しています。本ウェブサイトの趣旨にご賛同くださり、協力してくださった全ての方々に感謝申し上げます。