「貧困からの脱却」
【書いた人】奥野 由紀子(おくの ゆきこ)
【書いた人の紹介】
「言語と通して世界の平和を」これは私が通っていた大学の校舎に刻まれていたメッセージです。大学生のときは何とも思っていなかったのですが、それから何年もたってから、このメッセージが響いてきました。そこで、日本語教師の私は、日本語クラスの中で色々な国の学生と一緒に、世界で考えなければならない問題を一緒に考えてみようと思い始めました。
その頃世界では毎日のようにテロが起きていました。過激な考えを持つグループが世界中から若者を誘って仲間を増やし、人質をとって、お金を要求したり、町をおそったりしていました。グループに入った若者は、自分の体に爆弾をつけて、自爆テロを起こしました。私はどうして、そんなことをするのだろうと全く理解できませんでした。でもそこには「貧困」が関わっていることを知りました。「居場所」がないことが関わっていることを知りました。仕事がなく、食べるものもないときに「俺たちのグループに入ったら食べるものには困らないよ」と誘われたらどうでしょう。自分には何の価値もない、夢もない、生きる意味などない、と思っていたのに「あなたの力が必要だ。英雄になれる。」と言われたらどうでしょう。生まれた環境が違っていたら自分もそのようなグループの一人になってしまっていたかもしれないと思いました。
それから毎年、「貧困」について学生と考えるようになりました。「貧困」には食べるものにも困る「絶対貧困」と、食べるものや住むところはあってもその社会で「普通」とされている生活ができない「相対的貧困」があります。「貧困」の原因は様々ですが、どの国にもある問題なのです。知らずに「貧困」ビジネスに加担している場合もあるかもしれません。また、その解決のために動いている人々もいます。今回私は、「貧困」について学ぶ中で、特に印象に残っている「語り」にフォーカスをあてて4つの読み物を用意しました。皆さんと一緒に自分に何ができるのか考えていけたらうれしいです。
【読み物】
- 1.お兄ちゃんがしゃべったよ!(おにいちゃんがしゃべったよ!)
ことばのレベル:★★★☆☆
ぶんのレベル :★★★☆☆
ながさ:1628じ
- 2.子どもたちに教育を・大人たちに仕事を(こどもたちにきょういくを・おとなたちにしごとを)
ことばのレベル:★★★☆☆
ぶんのレベル :★★★☆☆
ながさ:1513じ
- 3.クリスマスプレゼントはなかった
ことばのレベル:★★☆☆☆
ぶんのレベル :★★★☆☆
ながさ:1217じ
- 4.僕の夢は兵士になることだった(ぼくのゆめはへいしになることだった)
ことばのレベル:★★★☆☆
ぶんのレベル :★★★★☆
ながさ:1351じ